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最新記事【2006年08月07日】

外為市場を動かす材料として、最も大きな威力を持つのは米国の金融政策です。

このため、米国経済指標の発表で、外為相場が大きく動く時が多々有ります。

外為相場を動かす重要な米国経済指標をA、B、Cにランク付けしましたので、先ずはAから見ていき、余裕のあるときにB、Cを見ていって頂ければと思います。

重要度A ・・・外為相場に大きな影響を与える
重要度B ・・・外為相場に影響を与えるときもある
重要度C ・・・さほど外為相場に影響を与えることは無い

重要度Aの外為経済指標
雇用統計/非農業部門雇用者数
雇用統計/失業率
消費者物価指数:CPI(Consumer Price Index)
生産者物価指数:PPI(Producer Price Index)
小売売上高
ISM:製造業景気指数(Institute for Supply Management)
鉱工業生産指数
GDP
中古住宅販売件数
新築住宅販売件数
貿易収支
対米証券投資

重要度Bの外為経済指標
シカゴ購買部協会景気指数
ニューヨーク連銀製造業景気指数
フィラデルフィア連銀製造業景気指数
耐久財受注
ISM:非製造業景気指数
個人所得・個人支出
ミシガン大消費者信頼感指数
住宅着工件数
住宅建設許可件数

重要度Cの外為経済指標
新規失業保険申請件数
製造業受注
設備稼働率
企業在庫/卸売在庫
消費者信頼感指数

外為市場には株式市場のように目に見える市場があるわけではありません。

外為を売りたい人と買いたい人が取引レートを提示して、双方が価格、数量などの条件に納得すれば取引が成立します。これを「相対(あいたい)取引」といいます。

極端な話、相手が納得すれば、どんな価格で売っても買っても構わないわけです。

便宜上、東京外為市場、ロンドン外為市場、ニューヨーク外為市場などと呼ばれていますが、別に物理的な東証のような取引所が存在しているわけではなく、実需、仮需を含めた外為市場参加者が多い時間帯、つまり、日中の時間帯の場所を、XXXXX外為市場と呼ぶことになっています。
(投機家、投資家でも人間なので、ご飯食べたり、寝たり、家族と過ごしたりしますから、24時間外為相場と戦う訳にはいかんわけです、、)

このため、外為取引には厳密な市場オープンの時間があるわけではなく、大口の外為取引を実行できる銀行間取引がされている、月曜の午前6時ぐらいから金曜の午前6時ぐらいまでが取引できる時間帯になります。

(もちろん土日でも外為取引は可能ですが、市場参加者が少なく、相対取引が成立しない場合が多いので、現実的には殆ど取引することはできません)

前の項で、外為市場は「相対取引」でありとご説明しましたが、”相対”、つまり売買したい私たちの相手方になるのが、外為取引業者になります。

つまり、外為取引業者が提示するレートは外為業者が勝手に決めて良いことになっているので、私たち個人投資家にとって、不利にならない真っ当なレートを提示してくれる外為業者を選ぶ必要があります。

複数の外為口座を開設してみれば分かりますが、同じ瞬間でもそれぞれの外為業者によって、微妙に提示しているレートが違います。

外為取引業者が提示するレートをBID(売り気配)とASK(買い気配)といいます。私たち個人投資家は、外為通貨を売りたい場合にはBIDレートで売り、買いたい場合にはASKレートで買うことになります。

外為取引業者が提示するBID(売り気配)とASK(買い気配)の差を「スプレッド」と言いますが、このスプレッドは売買をする投資家にとってのコストになります。
(買った/売ったら、いつかは決済のために反対売買をすることになるからです)

実際に外為取引業者が提示するスプレッドは個々の業者によって異なりますし、外為業者の得意な通貨によってはスプレッドが小さい(=投資家にとって有利)通貨とスプレッドが大きい(=投資家にとって不利)通貨がありますので、自分が頻繁に取引をする通貨のスプレッドには注意する必要があります。

スプレッドと共に、外為トレードをする際に”コスト”となるのが「手数料」です。

現在の外為証拠金取引業者間での競争は激しくなっており、手数料の値下げ競争もどんどん激しくなってきているので、外為取引をする個人投資家にとっては非常に有り難い状況になりつつあります。

手数料といっても、長期投資ならばさほど気にしなくてもよいかもしれませんが、短期売買を繰り返す外為トレーダーにとっては、手数料の多寡は非常に大きなコストとして跳ね返ってきます。

このため、基本的に、手数料は安ければ安いほど良いというのは真実です。

ただし、手数料無料の外為証拠金取引業者も多数ありますが、最終的なコストは「スプレッド+手数料」になるので、手数料だけで外為取引コストが安いと判断しないでください。(多くの場合、手数料無料の外為業者はスプレッドの幅が広い)

加えて、買ったり・売ったりしたら、決済するために、反対売買をいずれはしなければ利益も損も確定できないわけですから、往復売買のトータルコストがいくらになるのかという点も見てみて、トータルコストを算出できるわけです。

また、これは税金の話になるのですが、年間20万円以上の利益を上げた方は税金を払う必要がありますが、手数料は必要経費として算入することができます。

外為証拠金取引の特徴として、少ない資金で大きな利益を得ることができる点があります。(裏を返せば、少ない資金で大きな損を被ってしまうこともできる)

元本(投下した資金)の何倍-数十倍もの取引ができることを「レバレッジ効果(テコの効果)」と言います。

外為証拠金取引に、”証拠金”という単語が付いているのも、証拠金を担保として外為取引業者に差し入れれば、何倍−数十倍もの大きなポジション(通貨持ち高)を保有して取引することができるからです。

また、頻繁に使われる言葉として「レバレッジ率」というものがあります。

レバレッジ比率を簡単に言うと、「差し入れた証拠金で、保有することのできるポジション量」になります。

例えば、1USドルが100円と仮定した場合、下のようなレバレッジ率になります。

保証金 取引可能なポジション量 レバレッジ
100万円 1万USD(100万円) 1倍
50万円 1万USD(100万円) 2倍
10万円 1万USD(100万円) 10倍
2万円 1万USD(100万円) 50倍

外為取引業者によって、レバレッジ比率は10−200倍程度まで様々な業者があります。

上の図を見ればお分かりのように、レバレッジを高くすればするほど、少ない資金で大きなポジションを取引することができるので、ハイリスクハイリターンになります。

故に、外為取引をする際には、証拠金比率(保有しているポジション量÷証拠金の額)の管理が重要になります。
(例えば、100万円の資金を証拠金に入れて、5万USドルを買った場合、証拠金比率は5倍になり、それ以上ポジションを保有しなければ、実質的なレバレッジ率を5倍に抑えているのと同じになる)

このため、高いレバレッジ比率を提供している外為証拠金取引業者だからといって、ハイリスクハイリターンの外為取引しか出来ないというわけではありません。

たとえ、レバレッジ率が200倍まで可能な外為業者だったとしても、自分でレバレッジ比を1倍にしておけば、銀行で外貨預金しているのと同じになります。

このように、要は自分が外為取引をする際に、どの程度の実質的なレバレッジをかけるのかという点が外為トレードをする際に最も重要な点です。

(蛇足ですが、レバレッジ10倍の外為業者でフルレバレッジ10倍の取引をすれば、レバレッジ200倍の外為業者で実質レバレッジ率5倍の取引をしている人よりもリスクが高いということです。当たり前なんですが、、)

外為証拠金取引では、高金利通貨を買って、低金利の通貨を売れば、両通貨の金利差分をスワップとして受け取ることが出来ます。

(例えば、USドルの政策金利が5%で日本円のそれが0%の時には、10000万USドル買い/日本円売りの場合(1USD=115円)、1日あたり10000×115=1150000×0.05=57500÷365=157円のスワップ収入を得ることができます)

このスワップ益をインカムゲイン(利子・配当による収益)と言います。(ちなみに、為替差益のことは、キャピタルゲインと言います)

逆に10000万USドル売り/日本円買いの場合には、金利の低い日本円を金利の高いUSドルで買っていることになるので、1日あたり160円ぐらいスワップを支払うことになります。(通常、借り入れコストが発生するため、マイナススワップの方がプラススワップよりも大きい)

スワップの受け取りと支払いは、保有しているポジションを翌日に持ち越した時(ロールオーバー時)に発生します。通常、ニューヨーク外為市場がクローズするニューヨーク時間の午後5時(日本時間の午前6時or午前7時)に受け取りと支払いが発生する業者が多いですが、まれにロンドンフィックス時にスワップが発生する業者もあります。

もし金利の高い通貨のポジションを持っていれば、1日ごろに平均取得単価を良くしていくことができますので、この点は投資家にとって非常に有利なポイントです。本物の投機家であるヘッジファンドなども、金利差に着目した外為トレードを実施することがあり、これをキャリートレードと言います。

但し、ここで注意しておきたいのは、いくらプラススワップを受け取れるポジションを持っていたとしても、数ヶ月単位では、一気に為替変動でマイナスになってしまうので、スワップ益を目的とするには低レバレッジで行う必要があります。詳しくは、外為のトレードスタイルの「スワップトレード」の項をご覧ください。

個人投資家の一般的な投資対象である株式投資と比較した際の外為証拠金取引のメリットは以下のようになります。

外為取引のメリット1:外為取引は土日を除き24時間取引が可能
(株式の場合:基本的に午前9時-午後3時に限定される)
→外為取引の場合には、日中は本業が忙しく、外為相場など見れないサラリーマンなども、帰宅してから外為市場に参加することができる。

外為取引のメリット2:外為取引では、為替差益(キャピタルゲイン)だけでなく、各国の通貨金利差によって毎日発生するスワップ益(インカムゲイン)も狙える。
(株式の場合:配当や株主優待は1年間の一時期に限られる)
→金利の高い通貨に投資すれば(高金利通貨を買うこと)、平均取得価額を毎日良くしていくことができる。

外為取引のメリット3:外為市場には世界中から実需(輸入・輸出企業など)や仮儒(投機筋)が参加しているた、流動性が非常に高い。このため、売りたいときに売れないといったことが無い。
(株式の場合:外為市場に比べると、市場参加者が少ないため、ライブドアショックの時のように参加者のほとんどが売りたいという時には、買う相手が見つからず、売りたくても売れないという状況が発生する)
→外為市場は、流動性リスクが小さいため、何か突発的な事件、異変が起きた際も、取引することができる

また、逆に外為取引のデメリットとして「外為取引(FX)はリスクが高い」とよく言われます。

これは一面では当たっていて、一面では間違っています。確かに、証拠金取引でレバレッジをかけて取引をする以上、簡単に負けてしまうことができます(株式の現物取引の場合、レバレッジ1倍であるためリスクも小さい)

しかし、これは投資対象が外為(FX)であることが理由ではありません。株式投資でも、現物投資ではなく、信用取引であればレバレッジをかけていることと同じなので、リスクが高くなるわけです。

つまりは、投資対象が外為であることがリスクが高いわけではなく、「高いレバレッジをかけることが、リスクが高い」ということを混同してしまっているわけです。

上記のように、外為は投資対象として、多くのメリットを持っています。正しく資金管理をすれば、非常に有益な資産運用ツールになる魅力的な投資対象です。

米国の金融政策の発表は、外為相場に非常に大きな影響を及ぼします。

なかでもFOMC(連邦公開市場委員会)の政策金利発表議事録発表は、外為相場を大きく動かすことが多々あります。

FOMCでは、6週間ごとに年8回、火曜日に開催され、短期金利の指標であるFF(フェデラル・ファンド)金利を決定します。

このFOMCで金利が利上げされればドル買い、利下げされればドル売りの流れになることが多いです。

また、FOMCの政策金利が発表された3週間後に、FOMCの議事録が発表されます。このFOMCの議事録で、米国経済に弱気だったり、インフレ懸念が弱まったりすると、「今度は利下げするのではないか?」と外為市場が受け取り、ドル売りになる傾向があります。

加えて、ベージュブック(地区連銀経済報告)がFOMCが開催される2週間前の水曜日に発表されます。

FOMCでは、このベージュブックの内容を基に議論をするので、FOMCの結果を占うものとして、ベージュブックは大きな注目を集めます。ちなみに、ベージュブックというのは、この報告書の表紙がベージュ色であることから、このような名称が付いています。

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外為証拠金取引で資産を形成。外為でセミリタイアを狙うサラリーマン外為トレーダーが送る外為情報。外為相場に大きな影響を与える外為経済指標の見方や解説などを中心に骨太な外為情報をやさしくお伝えします。誰でも外為で儲けるチャンスはありますが、知識武装も重要です。空飛び猫の外為情報を読めば、外為なんて恐くない。
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