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最新記事【2006年08月22日】

ここでは、外為取引業者を選ぶ際に着目すべきポイントをご説明します。

最近では、外為証拠金取引(FX)が一般の方にも普及してきたとはいえ、株式の証券会社選びに比べると、まだまだ分かりにくい点も多いのが現状です。

加えて、個人投資家にとっては嬉しいことなのですが、外為取引の普及に伴って、外為取引業者間のサービス競争も激化しており、提供されるサービスも頻繁に変わります。

自分の外為トレードスタイルを踏まえ、目的・用途ごとに、自分に合った外為取引業者を選ぶことは、外為取引で儲けるために必須であり、外為取引をする個人投資家にとって永遠の課題です。

外為取引をする方で一つの外為取引業者しか使っていないということはありえなく、自分の用途に合わせて上手く使い分けていくことが、外為取引における「勝ち」に繋がります。(複数の外為取引業者を使うということは、取引業者の信用リスク、システムリスクの軽減に繋がります)

外為取引業者を選ぶにあたり、様々な選定要素がありますが、重要なポイントを以下の6点に絞ってご説明していきます。

1.取引可能な通貨ペアの数
2.売買コスト:スプレッド+手数料
3.外為取引業者の信頼性
4.トレード・システムの充実度
5.スワップポイント
6.その他:外為投資情報、レバレッジ

外為取引における投資チャンスを増やすには、取引できる通貨ペアの数が多ければ多いに越したことはありません。

全体的な傾向として、国内系の外為取引業者はドル円(USD/JPY)に加え、
クロス円(基軸通貨である米ドル以外の対円ペアのこと。例えば、EUR/JPY, GBP/JPY, CHF/JPY, CAD/JPY, AUD/JPY, NZD/JPYなど)
しか扱っていない場合もあり、通貨ペアの数が少ないケースが多いです。(今は、だいぶ改善されて、国内系でも通貨ペアの数は徐々に増えてきています)

逆に、外資系の外為取引業者の方が、ドル円、クロス円に加え、
・対米ドルペア(EUR/USD, GBP/USD, USD/CHF, USD/CAD, AUD/USD, NZD/USD)
・欧州通貨ペア(欧州通貨同士の通貨ペアのこと。例えば、EUR/CHF, EUR/GBP, GBP/CHF)
・オセアニア通貨ペア(AUD/NZD)
など、比較的取引できる通貨ペアの数が多いです。

たくさんの通貨ペア

この理由としては、外為取引業者のカバー先(取り次ぎ先金融機関)が国内系金融機関に強いか、外資系に強いかなどによって差が出てきます。

実際に取引するかどうかは別にして、通貨ペアの数が多い外為取引業者に口座を開設しておくのは、外為トレードをする上でも非常に有用です。

というのも、外為取引市場は基軸通貨である米ドルを中心に動いており、現状における通貨の強さ、弱さを比較するには、対米ドルのレートで見るのが一番だからです。

また、最近国内でも人気の出てきている、南アフリカランド(ZAR)を取り扱っている業者ならば、高金利通貨として有名なニュージーランドドル(NZD)よりも高い金利のZARに投資することも出来ます。

多種類の通貨に投資をすることは、結果的に資産のリスク分散にもなりますし、実際に売買するかはその時の判断で決めるにしても、「今がチャンスだ!」と思った時に、すぐに売買の機会を得られる準備はしておくべきです。

このため、取引可能な通貨ペアの数が多い外為取引業者の口座を、少なくとも一つは持っておいた方が良いです。そのなかから、自分にとって得意な通貨ペアを見つけていくことが、外為トレードでの"勝ち"にも繋がります。

日々の外為トレードのなかで、最も気になるのが売買コストです。「外為取引のコスト1:スプレッド」と「外為取引のコスト2:手数料」にも書きましたが、外為取引業者を選ぶ際には、外為取引の売買コスト=「スプレッド+手数料」がいくらになるのかをチェックしなければなりません。

外為取引業者が「手数料無料!」を謳っていたとしても、結局スプレッドによって手数料を取られているのと同じなので、必ず「スプレッド+手数料」の金額を確認してください。

むしろ、手数料は確定申告の際に(外為取引で年間20万円以上儲けた際には、確定申告で税金を払う必要があります)、経費として認められますので、一概に手数料無料ならば良いという訳でもありません。

※ただし、これは年間20万円以上儲けた場合ということで、儲からなければ手数料分だけ持っていかれることには変わりは無いので、何れにせよ「スプレッド+手数料」が安い外為取引業者で取引をするようにすべきです。

加えて、スプレッドに関しては、自分が頻繁に取引をする通貨ペアのBIDとASKがいくらなのかをきっちり把握してください。スプレッドの差は、外為取引業者のWebサイトに載っている場合もありますが、重要な外為経済指標の発表時など、外為市場の流動性が極端に薄い時にはスプレッドが広がったりするケースが多いので、この点にも注意してください。
スプレッド
(口座維持手数料は無料というところがほとんどなので、先ずは口座を開設してみて、実際の状況でスプレッドがどのようになるのかをご自分で確認してみてください)

手数料に関しても、通常「1万通貨単位あたりXXXX円」という手数料表示が多いですが、デイトレード割引(NYクローズまでの1日で売買が完結する取引)を実施している外為取引業者も多いので、片道だけでなく、往復のコストがいくらになるのかという点も注意してください。

近年になって、外為証拠金取引(FX)が個人投資家の間にも広がってきたといえども、外為取引は株取引などに比べるとまだまだ歴史の浅い投資対象です。

そもそも1998年の改正外為法の施行により、個人が銀行以外の外為取引業者等を通じて外為取引が可能になったばかりであり、外為証拠金取引の歴史は10年も経っていないわけです。

1998年以降、個人も銀行以外の外為業者と取引ができるようになりましたが、同時に詐欺まがいの外為取引業者も現れ、実際に個人投資家が被害に会う事件も発生しました。このため、2005年7月から投資家の保護を目的とした「改正金融先物法」が施行されました。

この改正金融先物法では、外為取引業者を従来の許可制から金融庁の登録制にし、最低資本金や自己資本規制比率を定め、営業、管理体制などへの規制も決められています。

これにより、悪徳業者や資本基盤の脆弱な外為取引業者の参入が難しくなり、外為取引業者は”2005年7月1日施行の金融先物取引法に基づく金融先物取引業者としての登録”をWebサイト等で告知していると思います。

自分が口座開設をする業者が金融庁に登録されているのは必須条件として、もう一つ自分の資産を守るために注意すべき点があります。それは、外為取引業者の信用リスクに伴う「信託保全スキーム」です。

この信託保全スキームを簡単に言うと、自分の取引している外為業者が万が一倒産・破綻などをした時に、自分の預けている資産がどのようなスキームで保全されているか、ということです。

先程の2005年7月施行の改正金融先物法で、外為取引業者に顧客資産の分別管理は義務付けられたものの、残念ながら現状、信託保全は必須ではありません。

この信託保全とは、外為取引業者が信託銀行等に顧客資産を預けることによって、万が一外為取引業者が破綻した時でも、顧客の資産が保証されるスキームのことを言います。
(外貨預金の場合も、預けている銀行が破綻した場合、ペイオフの対象ではないので、資産が返ってこないのと基本的に同じようなものです)

自分が取引する外為取引業者は、出来る限り信託保全スキームを準備しているところの方が安心ですが、更に言いますと、"信託銀行などの信託先"、"信託される範囲・タイミング"、"信託される通貨(円のみで米ドル等の外貨は信託されない)"など、外為取引業者によって信託保全スキームの内容はさまざまです。

もちろん、リスクを背負わなければ、リターンを得ることもできない訳ですが、自分の資産を預ける先ですから、利用する外為取引業者に信託保全スキームがある方が良いに決まってますし、スキームの詳細内容も含めて納得するまで調べることをお勧めします。

いづれにしても、一つの外為取引業者に自分の個人資産の大半を預けておくということは避けるべきで、外為取引業者の信用リスク分散のためにも、複数の取引業者に資産を分けて運用するということが必要です。

蛇足かもしれませんが、信託保全スキームが無い外為取引業者でも、無い分だけ、ハイレバレッジを提供しているなど、サービスを充実させている外為取引業者もあります。

もし、その外為取引業者が潰れて、資産が返って来なかったとしても問題の無い程度の資金を入れ、ハイレバレッジで外為取引をするというのも一つの手ですし、口座開設だけして提供される外為情報だけをゲットするというのも一つの手です。

資産運用の基本である「リスク分散」は、外為取引業者の選定時にも当てはまります。

瞬間ごとにレートが変わる外為取引市場で戦うには、自分にとって使いやすいトレードシステムを見つけることは必須です。

特に、ハイレバレッジでスキャルピングデイトレードをする場合には、すぐに売買注文が出来なければ、数千円、数万円取りっぱぐれることも多々あります。

加えて、チャートの見易さ、扱いやすさ、テクニカル分析の種類なども、外為取引業者によってさまざまなので、自分にとって使い易いトレードシステムを探してください。

外為バーチャルサイトに登録する」にも書きましたが、無料でバーチャルトレードができる外為取引業者も増えてきましたので、先ずは実際に使ってみて、自分に合うかトレードシステムかどうかを確かめてみてください。

デモトレードをしてみて「まあ、そこそこいいトレードシステムなんじゃない?」と思ったら、口座開設をし、リアルで試すことになりますが、これも始めは低レバレッジで試用期間を設けることをお勧めします。これは、「バーチャルトレードのシステム」と「リアルのシステム」での差がある場合もあるため、先ずはトレードシステムの内容を検証することが必要です。

他にシステム面で着目すべきポイントは、サーバーの強さです。重要な外為経済指標の発表時などは、一時的にアクセスが集中して、サーバーがダウンする、約定が遅くなるといったことは普通に発生します。(これが、システムリスクですね)

これも実際に米国経済指標の重要度(このサイトではA, B, Cにランク分けしてます)などによって、どのくらいの負荷がトレードシステムにかかるのかも、実際に体感して確かめてください。
※一般的に、外資系外為取引業者の方がサーバーが弱く、国内系取引業者の方が強いです。


あと、意外にまだまだ整備されていないのが、携帯などからのモバイル対応です。株取引なんかですと、モバイル対応していない証券会社は少ないと思いますが、外為証拠金取引の場合、モバイル未対応の取引業者も結構あります。

外出先や会社に居る時でも、外為トレードをしたいという方は、モバイル対応しているかどうかもチェックしてください。

スウィングトレードスワップトレードをする場合、スワップポイントが高ければ高い程、個人投資家にとって有利になります。

このため、インカムゲインであるスワップ益を目的としたトレードをする場合には、なるだけスワップポイントが高い外為取引業者を選ぶべきです。

加えて、スワップポイントが付与されるタイミングも外為取引業者によって、違いがあります。

例えば、毎日ニューヨーククローズ時に1日分のスワップポイントが付く外為取引業者もあれば、金融機関が休みの土日2日分を毎週水曜日のニューヨーククローズ時に3日分まとめてスワップポイントを付与する取引業者もあります。

※国内、海外を含め、金融機関が祝日で休みの時などもスワップポイントが付与されるタイミングが変わる外為取引業者もありますので、決済しようとしている時には、一応チェックしておいた方が良いかと思います。

また、スワップ益を狙ったトレードをする場合にはスワップポイントの高い業者を選ぶべきですが、デイトレードなどで翌日に持ち越すとマイナススワップが付く売買をする場合には、逆に高いマイナススワップを取られてしまうことになります。
このため、マイナススワップが付く売買をする場合には、翌日に持ち越してしまう可能性も含めて、スワップポイントが低い外為取引業者でトレードをするというのも一つの手です。

その他に、外為取引業者を選ぶ際に着目すべきポイントとして挙げられるのは、「外為投資情報」です。

業者によって、ロイターやブルーンバーグなどの詳しい外為市況情報や人気外為アナリストの予測レポートを提供したり、外為経済指標が発表されるとすぐに携帯のメールに送信してくれるなど、サービスの種類はさまざまです。

実際に証拠金を入金していなくても、外為投資情報だけを得るために口座開設をするというのも、多くの個人投資家がしている手段です。

特にスキャルピングやデイトレードをしている場合には、外為経済指標の結果を含め、突発的な事件の発生など、いかに情報を早くゲットできるかが非常に重要です。このため、旬の情報をリアルタイムに得られる環境は確実に整えておくべきです。

加えて、「レバレッジ」についてですが、外為取引業者によってレバレッジが数倍〜数百倍とさまざまです。この際、ある程度レバレッジの高い業者(レバレッジ:数十倍以上)の方が高い資金効率で外為トレードをすることができます。

外為取引のレバレッジ」でも書きましたが、ハイレバレッジの業者だからといって、ハイリスクというわけではありません。

重要なのは自分の資産(預けている証拠金)に対して、どれほどのポジションを持つのかによって「リスクの大きさ」が変わります。このため、ハイレバレッジの外為取引業者を使っていたとしても、低レバレッジの運用をしていれば、ローリスクになっているわけです。

むしろ、ハイレバレッジの外為取引業者の方が、ポジションを持った時の余剰金額が大きくなりますので、より自由度の高い外為トレードが可能になります。

提供されているレバレッジの目安としては、数十倍以上のレバレッジを提供している外為取引業者ならば十分だと思います。

以上が、外為取引業者を選ぶ際に、着目すべきポイントとして挙げさせて頂きましたが、自分に合った業者を見つけるのは本当に難しいです。試行を繰り返しながら、「これはイケてる業者だぜー!」というのを見つけて頂ければと思います。

外為で資産運用!空飛び猫の外為情報

外為証拠金取引で資産を形成。外為でセミリタイアを狙うサラリーマン外為トレーダーが送る外為情報。外為相場に大きな影響を与える外為経済指標の見方や解説などを中心に骨太な外為情報をやさしくお伝えします。誰でも外為で儲けるチャンスはありますが、知識武装も重要です。空飛び猫の外為情報を読めば、外為なんて恐くない。
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