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外為相場は織り込まれる

外為市場において、経済指標の発表や政策金利の発表など、「この材料が出れば上げるだろう/下がるだろう」と思っていたのに全然動かなかったり、むしろ一瞬上がったかと思ったらすぐに逆に下げていく、といったことが頻繁に発生します。

これらの現象を外為相場の世界では「外為市場が既に織り込み済みだった」と言います。

外為市場にいる投資家/投機家たちは、重要な経済指標や金融政策の発表の前から、それらの結果や政策を先読みしていきます。

例えば、2006年3月の日銀量的緩和解除、7月のゼロ金利解除の際も、発表された時には、一瞬だけ円高に振れたものの、その後には逆に円安になりました。

これらの材料は両方とも「JPY(日本円)と他国通貨との金利差が縮まる」ということで、円買い(円高)になるべき材料です。

しかしながら、実際の外為相場はそうはなりませんでした。

これらの政策変更時期における値動きを見ていると、実は発表される前の1週間ぐらい前から既に円高に振れていました。発表された時には「もう材料が全部出尽くした」ということで、今まで円買いをしていた投資家たちが、利益確定も含めて、どんどん円売りをしていったために、発表後の円売り相場が形成されました。

このように、外為相場は常に「事実を先読みし、徐々に将来の事実を織り込んでいく」ために、発表後に逆の方向へ(つまり、反対売買がされる)動くということがしばしばあります。

これが俗に言う「Buy on the rumor, sell on the fact」(噂で買って、事実で売れ)という格言にも繋がるわけです。

上記の日銀の金利政策変更の場合でも、福井日銀総裁が「量的緩和、ゼロ金利解除はやるよ、やるよ」と示唆するような発言を事前から多くしていたため、いざ実際にそうなった時には全然「サプライズ」が無かったわけです。

各国の金融当局は金利政策の発表などで、相場を大きく変動させることを嫌う傾向があります。このため、実際の事実(金融政策の変更など)を徐々にリークすることによって、市場に織り込ませ、発表時の急激な相場変動を減らそうとすることが多々あります。

もちろん、単純に全てがこのような動きをするということはありませんが「市場が織り込む」というのは常に発生することなので、他の人よりも「ちょっと先(半歩ぐらい先)」に売買をするのが良いということです。

※あまりに早すぎても、周りの人が付いてこなければ、損したままになってしまいますからね。一般の流行を追うのと、多少似てますね!

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