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最新記事【2006年09月01日】

FOMC(Federal Reserve Open Market Committee)とは、日本語に訳すと「米連邦公開市場委員会」となり、米国の中央銀行であるFRB(Federal Reserve Board):米連邦準備制度理事会が年に8回(約1ヶ月半ごと)に開催する金融政策のミーティングのことです。

FOMCでは、公開市場操作の方針(公定歩合やFF金利の誘導目標)や景況判断が討議され、今後の金融政策方針などを決定する米金融政策の意思決定ミーティングです。
*FF金利(フェデラルファンドレート:米国のインターバンクで取引される短期金利のこと)

FOMCは、FRB議長(現在はMIT出身のベン・バーナンキ)がFOMCの議長も担当し、ニューヨーク連銀総裁が副議長を務めます。FRB議長、副議長のニューヨーク連銀総裁に加え、FRBの理事6名、地区連銀総裁4名(NYを除いた11地区の総裁が1年毎に持ち回りで担当)、の計12名で構成されます。

全米12地区に連邦準備銀行(地区連銀)とは、第1地区から第12地区までボストン、ニューヨーク、フィラデルフィア、クリーブランド、リッチモンド、アトランタ、シカゴ、セントルイス、ミネアポリス、カンザス、ダラス、サンフランシスコにあり、担当地区での中央銀行業務を実施しています。

この地区連銀は、FOMCが開催される2週間前に、地区連銀景況報告(ベージュブック)を発表します。ベージュブックは各地区の個人消費、製造業やサービスの状況、物価・賃金などの経済状況をレポートしたもので、FOMCの討議資料として使われます。

FOMCでは、このベージュブックの他に討議用資料として、グリーン・ブック(FRB調査統計局景気見通し)、ブルー・ブック(FRB金融政策局金融情勢・政策インパクト分析)も活用したりします。

FOMCが終わると、政策金利の発表が実施されます。外為市場の参加者はFOMCでの政策金利が「利上げか?利下げか?据え置きか?」ということに注目する共に、「FOMC声明文」にも大きな着目をします。

基本的に、FOMCで決定される政策金利は、既に事前に外為市場が織り込んでいることがほとんどであり、サプライズが起きることの方が少ないです。このため、FOMC終了後に出される「声明文」で、どのような内容が討議されたのかを垣間見ることによって、市場参加者は次のFOMCの政策金利等を予測していきます。

FOMCの声明文が利上げに弱気だったりする内容だと、その声明文に反応して、ドルが売られる、といったことが発生します。

加えて、FOMCが終了した約3週間後に「FOMC議事録」が発表されます。FOMC終了直後の声明文よりも詳しい討議内容が書かれているため、この議事録も次回のFOMCの結果を占う上で非常に注目されます。

#その他の外為用語解説【海外の重要組織】
FOMC(Federal Open Market Committee)
FRB(Federal Reserve Board)
G7(Group7)
ECB(Europen Central Bank)
IMF(International Monetary Fund)
マクロ系ファンド/モデル系ファンド

FRB(Federal Reserve Board)とは、連邦準備理事会のことを指します。(Boardが付いているので、理事会ということですね)

FRBは別名、Board of Governors of the Federal Reserve Systemとも呼ばれ、これを訳すと連邦準備”制度”理事会。

つまり、連邦準備制度(Federal Reserve System:FRS)という、米国の中央銀行制度の政策決定機関がFRBということです。

FRBは、全米地区12に存在する連邦準備銀行を統括しており、金融政策の検討及び執行、地区連邦準備銀行の監督管理、預金準備率の決定を主要な業務としています。

FRBは上院の助言と同意を得た後、合衆国大統領から任命された7名の理事で構成されています。

FRB理事の任期は14年で、2年毎に1人の理事の任期が満了するようになっており、FRBの議長と副議長は大統領が7人の理事のなかから任命します。

議長、副議長の任期は4年ですが、「マエストロ:名指揮者」と呼ばれた前任のアラン・グリーンスパン元FRB議長は1987年8月から2006年1月まで、全米史上前例のない5期に渡ってFRB議長を務めました。

現在のFRB議長ベン・バーナンキは、2002年からFRBの理事になり、2005年には大統領経済諮問委員会(CEA)の委員長になった後、2006年2月からFRB議長に就任しました。

ベン・バーナンキはハーバード大卒で、MIT(マサチューセッツ工科大学)で博士号を取得後、前職は米国の名門大学プリンストン大学の経済学部長をしていました。ちなみに、奥さんはスペイン人で、2人のお子さんがいます。

FRBの理事は、FOMC(連邦公開市場委員会)の委員も兼任しており、公開市場操作を含む金融政策の決定も任務の一つになっています。

FRB議長の発言は、要人発言のなかでも、最も外為相場を動かす威力を持っていますので、日々の金融政策に対するコメントには非常に着目する必要があります。

#その他の外為用語解説【海外の重要組織】
FOMC(Federal Open Market Committee)
FRB(Federal Reserve Board)
G7(Group7)
ECB(Europen Central Bank)
IMF(International Monetary Fund)
マクロ系ファンド/モデル系ファンド

G7(Group of Seven)とは、先進7カ国、アメリカ、イギリス、日本、フランス、ドイツ、イタリア、カナダのことを指します。

1986年にイタリア、カナダが加入する前は、G5と呼ばれていました。更に、ロシアを加えて、G8(Group of eight)として、主要8カ国と呼ばれたりします。

ちなみに、主要国首脳会議(Group of Seven and Russia)はサミットとも呼ばれ、各国首脳が年1回集まり、国際的な経済的、政治的課題を討議します。

外為市場に関係するところとしては、G7財務相・中央銀行総裁会議が挙げられます。

G7財務相・中央銀行総裁会議は各国の財務相と中央銀行総裁が原則年に3回集まり、世界経済や国際金融政策について討議をします。昔に比べると最近はG7での結果が外為相場に影響を与えることが少なくなってますが、G7で「ドル安容認」などが発表されると、一気にドル安に傾くといったこともあります。

意外に見落としがちなG7ですが、政治的パワーが外為市場に与える影響も侮れませんので、G7での討議結果や声明は一応はニュースでチェックをしておく必要があります。

#その他の外為用語解説【海外の重要組織】
FOMC(Federal Open Market Committee)
FRB(Federal Reserve Board)
G7(Group7)
ECB(Europen Central Bank)
IMF(International Monetary Fund)
マクロ系ファンド/モデル系ファンド

ECB(Europen Central Bank)とは、欧州中央銀行のことであり、12カ国が公式に参加しているユーロ(EUR)の金融政策を執行する中央銀行です。

ユーロに参加している12カ国(オーストリア、ベルギー、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシア、アイルランド、イタリア、ルクセンブルグ、オランダ、ポルトガル、スペイン)には、現在でも各国の中央銀行が存在しており、ECB(欧州中央銀行)の各国支店として活動を続けています。

ECBの本拠地はドイツのフランクフルトにあります。このことからも、ユーロ経済圏でのドイツの占める割合、力が大きいことが伺えます。

現在のECB総裁は、2003年に就任した2代目のジャン・クロード・トリシェ。前職は、フランス中央銀行の総裁でした。ECB副総裁は、ギリシャ中央銀行総裁だったルーカス・パパデモス。

ECB総裁であるトリシェの発言は、EUR相場に大きなインパクトを与えます。トリシェは市場参加者の思惑とは反対の発言をよくしたりするので、結構注意が必要です。(ちなみに、あまり日本のメディアでECB総裁トリシェの顔が出てくることはないのですが、こんな顔をしています)
ECB総裁:トリシェの顔

ECBの主要な機関としては、以下の3つほどが挙げられます。

1.役員会(Executive Board):総裁、副総裁、理事の6人で構成。政策理事会(Governing Council)の決定に沿って金融政策を実施し、各国支店の中央銀行に対し必要な指示を出す。

2.政策理事会(Governing Council):政策理事会は、役員会(Executive Board)メンバー6名と各国中央銀行総裁12人の計18人で構成。ユーロ圏の金融政策を決定するECBの最高意思決定機関です。

3.一般理事会(General Council):ECB総裁、ECB副総裁に加え、ユーロ圏と非ユーロ圏を含めた25カ国の中央銀行総裁の計27人で構成。ユーロ圏とユーロに正式加入していない非ユーロ圏の中央銀行とでECBに助言をする役割を持っています。

いづれにしましても、第2の基軸通貨として、EURの存在というのは今後も大きくなっていくでしょうから、FRB議長までの国際金融市場に与える影響力を得るまでには当分ならないでしょうが、ECB総裁の発言力も次第に影響力を増していくと考えられます。

#その他の外為用語解説【海外の重要組織】
FOMC(Federal Open Market Committee)
FRB(Federal Reserve Board)
G7(Group7)
ECB(Europen Central Bank)
IMF(International Monetary Fund)
マクロ系ファンド/モデル系ファンド

IMF(International Monetary Fund)とは、国連の専門機関であり、外為相場の安定を図ることを目的としています。

現在、184カ国が加盟しており、国際的な金融協力を促進するために設立され、外為相場の安定や雇用増加、経済的成長を促進することも主要な業務としています。

加えて、IMFは加盟国の出資金を原資として、国際収支が悪化した国に融資も実行します。(1997年のアジア通貨危機の際には、IMFが韓国に対して600億ドルの融資を実行しました)

IMFを構成する組織としては、以下の総務会、理事会、国際通貨金融委員会などが、主要な組織になります。

総務会:IMFの指揮命令系統の頂点に位置づけられており、IMF加盟国184カ国の財務相、若しくは中央銀行総裁で構成されています。

理事会は、IMFの日常業務を遂行しており、週3回の会議を開催しています。現在の理事8人は中国、フランス、ドイツ、日本、ロシア、サウジアラビア、英国、から出されています。他には、他の国から16人の理事が理事会の運営を遂行しています。

国際通貨金融委員会は、理事会を構成する理事24人で構成されます。委員会は年2回、IMFと世界銀行の年次総会と春季総会と同時に開催され、IMFに対して国際通貨システムの助言をします。

本来、IMF役割は、外為相場の安定を図ることが目的でしたが、世界通貨システムが変動相場制に移行したことから、加盟国の国際収支不均衡を是正するのが主要な目的になりつつあります。

現在では、IMF加盟国の出資金から国際収支が悪化した国に対する融資や開発途上国への融資も主な業務となっています。

#その他の外為用語解説【海外の重要組織】
FOMC(Federal Open Market Committee)
FRB(Federal Reserve Board)
G7(Group7)
ECB(Europen Central Bank)
IMF(International Monetary Fund)
マクロ系ファンド/モデル系ファンド

マクロ系ファンドとは、マクロエコノミクス、つなりファンダメンタルズ分析を重視して、各国の通貨政策における歪みを見つけ出して、裁定取引を狙うファンドのことを言います。

マクロ系ファンドは、ファンダメンタルズ分析から通貨などの理論価格を算出し、実際の市場価格との差(歪み)があると判断した時に、理論価格よりも割安と思えば買いを入れ、割高だと思えば売りを入れるといったタイプの取引をするファンドのことです。

マクロ系ファンドとしては、米国の年金ファンドなどが挙げられたりします。

以前よりもマクロ系ファンドの資金量は減ってきたとも言われていますが、歪みがあると判断した時には、集中的に買いや売りを入れてきますので、外為相場を大きく動かす時もあります。

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逆に、モデル系ファンドとは、テクニカル分析を重視して、高度な投資運用モデルで構築したシステムトレードを基に、短期売買を中心とした運用を実施するファンドのことを言います。

モデル系ファンドのモデルとは「数理モデル」のModelから来ています。

コンピュータシステムによる自動売買を実施しているモデル系ファンドもあり、外為相場における動き方としては、ストップロスやオプショントリガーを「狩り」に行く動きをよくしたりします。

ストップロスとは、キリの良い数字、例えばUSD/JPYで言うなら120円とか110円前後に大量に設定されている損切り注文のことです。

オプショントリガーとは、オプション取引でキリの良い数字(120円とか110円)に達すると、オプションの権利が消滅したりするポイントのことを言います。

これら、キリの良い数字の近辺には、大量の注文が並んでいる場合が多いので、切りの良い数字を「狩られたくない人」と「狩りたい人」との攻防が頻繁に発生します。

モデル系ファンドなどは、市場参加者が少なく、流動性が低い時(例えば、東京外為市場が閑散としているランチタイムの12時から13時ぐらいとか)を狙って、ストップロスやオプショントリガーを「狩り」に行くことがよくあります。

モデル系ファンドが市場の薄い時間帯を狙うのは、流動性の低い時の方が、少ない資金量でも大きくレートが動くため、効率が良いからです。

モデル系ファンドは突発的に、短期的な動き・売買をしてきますので、その際に大きなポジションを持っていたりすると、損切りさせられてしまうことも発生します。このため「流動性が薄い時」には、モデル系ファンドの動きに注意が必要です。

(といっても、いつモデル系ファンドが出てくるかは分からないので、市場参加者が少ない時に大きなポジションを持つのは、避けた方が良いということです)

#その他の外為用語解説【海外の重要組織】
FOMC(Federal Open Market Committee)
FRB(Federal Reserve Board)
G7(Group7)
ECB(Europen Central Bank)
IMF(International Monetary Fund)
マクロ系ファンド/モデル系ファンド

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