キャリートレード
キャリートレードとは、各通貨ペアの相対的な金利差に着目して、低金利通貨(JPY、CHFなど)を売り、高金利通貨(AUD、NZD、ZARなど)を買って、持ち続けることによりスワップ益(インカムゲイン)と為替差益(キャピタルゲイン)を狙う投資手法です。
※ポジションを持ち越すことをキャリー(Carry)と言うため、キャリートレードと言われるワケですね)
近年では、ヘッジファンドがよく実施する投資戦略として有名で、2005年には超低金利の円(JPY)で資金を調達し、高金利通貨に換えて、更に金や原油などの商品市場へ投資をする動きが強まったため、金や原油も高騰しました。
外為証拠金取引(FX)では「低金利通貨を売って、高金利通貨を買う」というところまでですが、キャリートレードをする際には「売ろうとする低金利通貨が中長期的に低金利が続き、更にその低金利通貨がもっと安くなる」という前提があることが必要です。
というのも、売ろうとする低金利通貨が中長期的に高金利に変わっていったら、プラスのスワップポイントの額が減ってしまいます。加えて、いくらプラスのスワップポイントを得ていたとしても、スワップ益以上に為替差損が増えてしまえば、結局損をすることになってしまうからです。
ちなみに、キャリートレードをするために売られる通貨をファンディング通貨(funding currency)といいます。最近では、常に低金利である日本円(JPY)や恒常的に低金利政策を採っているスイスフラン(CHF)が代表的なファンディング通貨です。
長期的な外為相場の展開傾向としては、各国通貨の金利差が拡大するときにはキャリートレードが増え、金利差が縮小されるときにはキャリートレードの巻き返しが起こるとされています。
※各国通貨の金利差が大きくなければ、そこそこのプラスのスワップポイントを得ることもできませんから、当たり前ですよね。
加えて、キャリートレードをしようとする時には、買おうとする高金利通貨もどれにするかといったことが重要です。2006年9月現在の高金利通貨として挙げられるのは、GBP、AUD、NZD、ZARなどですが、キャリートレードをする時に買う高金利通貨の「高金利である理由」を掴んでおく必要があります。
基本的に通貨を高金利にしているのには、以下のように大きく2つの理由があります。
1.該当国の経済が活発化しており、インフレ傾向になっているため高金利にしている場合→英国ポンド(GBP)など
2.新興国などが、自国に資金を集めるために、リスクプレミアムとして高金利にしている。(簡単に言うと、カントリーリスクがあるので、その分金利プレミアムを上乗せしている)→南アフリカランド(ZAR)など
新興国の通貨は10%に近い、非常に高い金利だったりして、スワップポイントだけを見るととても魅力的です。しかし、その分カントリーリスクを抱えているので、何か突発的なニュースによって、一気に暴落、といったことも、先進国通貨に比べて発生しやすいという点にも注意が必要です。
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